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韓国伝統医学訪問

韓国、ソウルへよもぎ蒸しと伝統医学の四象医学を見聞するために訪れました。


慶煕大学漢方病院

薬令市場

汗蒸幕

慶煕(キョンヒ)大学韓方病院見学記

 2004年6月、韓国の伝統医学の韓方病院へ見学してまいりました。日本と韓国の医学的な交流は古く、七世紀ころまで、高句麗や百済、新羅から帰化した渡来人から方術は伝来し、日本書紀にも高句麗の僧から鍼術を学んだという記載もあったそうです。江戸時代では東医宝鑑を徳川家の侍医の医書としても重宝され、日本の伝統医学への影響は少なからずあったのではないかと思うようになりました。
 そこで、韓国へ訪問し実際の伝統医学を体験しようと思いソウルへ旅立ちま した。韓国の東洋医学は、中国医学の影響は受けていますが儒教の人間観に基づいた体質医学である四象医学と鍼法については五行鍼法の舎巌五行鍼法、太極鍼法、高麗手指鍼法があるそうです。四象医学とは、十九世紀の終わりごろ朝鮮の医学者、李済馬先生により創設されました。四象というのは中国哲学の「太極は両儀を生ず」「両儀は四象を生ず」より、太陽・少陽・太陰・少陰の四つの類型に分類し、体質として体型、性格、感情、病変の傾向などをあてはめています。
 慶煕(キョンヒ)大学韓方病院は、ソウル市の東大門区回基洞にあります。病院の各科は、韓方医学と西洋医学、東西医学の併用のセンターに別れています。特に韓方医学では内科は肝系、心系、脾系、肺系、腎系があり、鍼灸科、婦人科、小児科、神経精神科、眼科、耳鼻科、皮膚科、リハビリテーション科などがあります。
 実際の診察では病院内の外国人専用の診察室へ通されました。121の項目の問診表を記入し、それから口答での問診、脈診をへて体質を決定していきます。問診のデータはコンピュータで解析される一方脈診もおこない現代と伝統は融合されています。病院内も案内され検査機器としては、脈波計、脳の血流を計る機器、サーモグラフィーなどありました。鍼灸科は坐骨神経痛の治療をしているところを見学しました。方剤室では、生薬の入った沢山の棚がありました。調合された生薬は注出する工程を経て、液状になりワンパックごとになっています。煎じる手間も省け大変便利になっています。
 午前の病院の見学も終わり、午後は薬令市場にある生薬の問屋さんが集まった町にも立ち寄りました。途中、道端で温灸道具の出店もあり、もぐさが山積みになって売られていました。医療器具屋さんでも鍼を扱っていて鍼灸を身近に感じることができました。  韓国は、中国と共に日本の伝統医学の原点でもあり、大変意義のある経験をさせていただきました。

参考文献

1)三木栄「朝鮮医学史及疾病史」思文閣出版
2)「医療概論」医道の日本社
3)真柳誠「韓国伝統医学文献と日中韓の相互伝播」『温知会会報』34号208-215頁、1994年12月
4)黄煌「中医伝統流派の系譜」東洋学術出版

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