不妊症のための鍼灸

不妊症とは
 不妊症の定義は、「生殖可能の男女が妊娠を希望しある一定期間、性生活を行っているにもかかわらず、成立をみない場合を不妊という。期間は、1年から3年と諸説はありが。2年というのが、一般的である。
 不妊症の男女比については、男性40%、女性40%、両方に原因があるもの20%といわれ女性の不妊原因としては、排卵因子、卵管因子、子宮因子、膣頸管因子などがあげられる。
 西洋医学の治療法では、タイミング法、人工授精(AIH)、体外受精(IVF)などがある。

 年齢ととも卵巣機能と妊娠率と関係し、35才過ぎると妊娠率は下降しやすいといわれている。
東洋医学
 東洋医学の不妊は、「不孕」「不子」「無子」絶子」「絶不産」など古典の記載があり、いくつかの用語がある。隋代に各種疾病を分類し、その病因と症状を解説した書、『諸病源候論』では、不妊の項(無子候)として、月水不利無子、月水不通無子、子藏冷無子、帶下無子、結積無子と5つに分けて記している。 妊娠にかかわりある、女子胞(子宮)の生理機能は、肝・腎・脾と経絡中の任脉・衝脈と密接なかかわりを持ち、ことに、『黄帝内経』素問 上古天真論では。女子の発育は、7の倍数で成長・発育は、腎気の盛衰と大きく関与していると捉えているのである。
月経周期にあわせた鍼灸治療
 楽っ子堂では、体質改善の治療とともに、婦人科疾患の不妊症の方々に、月経周期にあわせた鍼灸治療(鍼灸周期療法)を行っております。周期療法とは、低温期、排卵期、高温期、月経期の周期の状態に合わせて治療を行っております。
 治療頻度の目安としまして、基本の体質改善の治療では、頻度は週3回、週2回、週1回、10日に1回、2週間に1回と体質により異なります。期間は、妊娠成立までとなりますが、目安としましては、1ヶ月、3ヶ月~6ヶ月、1年、状態により2~3年かかる場合もあります。
 体外受精を目的として、卵の質の向上をする場合、主に低温期に集中的に治療をおこないます。着床を助ける目的としましては、受精卵移植前後および、移植後当日から一週間以内に治療をおこないます。内膜の質の向上、肥厚を目的とする場合、低温期に治療をおこないます。

* 体質として冷え症などがある症例(特に骨盤内の血行が良くないケース)では、鍼灸の治療効果が短期間にあらわれやすい傾向にある。
  一方、のぼせやほてり(陰虚)などの症状、下腹部の硬結(お血)、精神的なストレスが多い(気滞)、年齢のわりに卵巣機能が低下している・白髪が多い・40代(腎虚)、アレルギー・自己免疫疾患などの症例は、期間として中期または長期にわたる可能性がある為、インフォームドコンセントをして納得して治療を受けて頂けるように心がけている。